ななみこの統合失調感情障害ブログ

統合失調症と双極性障害の啓蒙活動をします

気分循環症

 おはようございます、ななみこです。今回は双極性障害と似ている気分循環症(気分循環性障害)について考えてみたいと思います。

 気分循環症は軽い躁状態と、軽いうつ状態が交互に現れる状態で、このような気分の不安定さが2年以上、慢性的に継続していることを言います。誰でも気分の高揚や落ち込みを経験しますが、気分循環症では日常生活に影響を与える程の気分の不安定性が認められます。アメリカ精神医学会による診断マニュアル(DSM-5)では、気分障害を更に分岐した双極性障害及び関連障害群のカテゴリーに含まれます。躁状態うつ状態のエピソードは双極性障害の診断基準を満たすほどでなく、双極性障害よりも気分の不安定さが軽いとされています。
 気分循環症の生涯有病率は1%で、精神科外来に来院される患者さん全体の3~5%を占めます。15~25才の間に発症することが多く、男性よりも女性にか多く認められます。境界性パーソナリティ障害患者の約10%~20%に気分循環性障害や気分循環症を合併しているとされます。
 気分循環症の患者さんは、うつ状態躁状態が混じった状態で不安定になり、大きな理由がなくても、他者への攻撃性や易怒性を極端に高めてしまうことはあります。そのため、さまざまな問題行動を起こし、周囲から「気分屋」「怒りっぽい」「問題行動が多い」「喧嘩っ早い」と思われ、評判が悪くなりがちです。また、自分自身で気分の浮き沈みがコントロールできない状態であることを自覚していることもあります。
 気分障害気分安定薬薬物療法をします。非薬物療法としては、健康的で規則正しい生活を送ることが効果的とされ、適度な運動、栄養のある食事、タバコやアルコールを控える、適度な運動と十分な睡眠などが重要になってきます。また、認知行動療法によって、「物事の捉え方」や「現実の受け止め方」といった、「認知」に焦点を当てて、行動パターンを変化させ、気持ちを楽にすることも有効であるとされます。気分障害の一部は双極性障害うつ病に移行するため、症状の推移や治療経過を注意深く見守る必要があります。