ななみこの統合失調感情障害ブログ

統合失調症と双極性障害の啓蒙活動をします

妄想の私

 以前の私は、他の人のしていることを自分と強く関連付けて不安になってしまうことが多々あり、毎日がつらい気持ちでした。他の人から「違うよ」とか「関係ないよ」と言われても、自分の考えを訂正することが出来ず、逆に自分の考えを強く信じてしまっていました。今は抗精神病薬のお陰でそのような症状はありませんが、おそらく、そのときは躁状態で全能感もあり、妄想が生じていたのだと思います。

 妄想とは、間違った考えを信じ込んで、理屈で説明されても考えを変えられない状態のことを言います。統合失調症の症状の一つですが、認知症などの他の精神疾患でも見られます。妄想にはいくつかの種類があり、その例として、
  被害妄想:悪いことをされる
  関係妄想:自分と他者や出来事を強く関連付ける
  被毒妄想:毒を飲まされる
  注意妄想:見られている
  誇大妄想:自我が大きくなってしまった状態
  微小妄想:自我が小さくなってしまった状態
などです。私の場合は統合失調感情障害のため、関係妄想が生じていたのだと思います。
 人間は、たくさんの情報や知識をもとに判断しますが、全てを考えて決めるのは大変です。そのため、よくあるパターンをまとめて認識するようにしています。このパターン認識を間違うと、自分では間違いを修正できないため、誤った認識が形成されます。これが妄想の原因です。妄想を抱く人は、もともとの精神疾患の影響もあり、他人から理屈で説明されても間違いを修正できず、逆に思い込みが強くなってしまう傾向にあります。
 では、妄想を抱いている人とはどのように関わり合うとよいのでしょう?妄想への対応は、「そうですね」と肯定も否定もしないのがよいと言われていました。しかし、実際には「そうですね」は相手にとって肯定の意味合いを持つため、どんどん妄想が膨らんでいく可能性があります。そのため、妄想の背景には上手くいかずに困っていることや不快な体験があることを理解し、「なるほど、そうだったのですね」とか「そういう考え方もありますね」のように、体験や考え方を認めて、嫌な気持ちや大変な気持ちに共感すること重要です。そして、その後に、現在はどういう状況で何に困っているのかを尋ねることで、現実的な困りごとを解決します。

 妄想を抱えている人に対しては、訂正や肯定をするよりも、傾聴と共感で同意を示し、現実的な困りごとを解決するように話を持っていくのが良さそうですね。

ブログを最後まで読んでいただきまして誠にありがとうございました。今後も皆様にご訪問していただけるよう全力を尽くします。今後とも応援をよろしくお願いいたします。

 

最後に本のご紹介をします。

この本は、精神疾患を抱える人を病院以外の場所で支援する際に必要な内容について書かれたものです。著者は看護師で訪問看護を担っており、独立型訪問看護ステーションで経験した困難例から精神疾患を抱える人との関わりかたを考察しています。

 

 

この本は精神科医が書いた本で、精神疾患について、極力専門用語を使わずに症状や病気を解説しています。読みやすい内容で、精神疾患の人を理解するのに役立つ本と思いました。

 

この本は精神科医が書いた本で、精神障害を抱える患者さんの入門書として定評があります。疾患や病気の基礎的な内容からケアの実践的な内容まで網羅しており、図解でイメージしやすいのが特徴です。福祉についても重点的に記載されており、医療と福祉をどうつなげるかが分かる一冊となっています。