ななみこの統合失調感情障害ブログ

統合失調症と双極性障害の啓蒙活動をします

双極性障害と高血圧

 おはようございます、ななみこです。今回は双極性障害と高血圧について考えてみたいと思います。

 双極性障害の患者さんの3人に2人は高血圧を合併します。高血圧の診断基準は、血圧の値のうち上の血圧(収縮期血圧)が140mmHg以上の場合、または下の血圧(拡張期血圧)が90mmHg以上の場合、あるいはこれらの両方を満たす場合に診断されます。高血圧が続くと動脈硬化が進行して脳卒中や心臓病、腎 臓病など重大な病気になる危険性が高まります。
 双極性障害の高血圧は、レニン・アンジオテンシン(RA)系といって、血圧調節と、脳における認知や気分および行動に影響する視床下部-下垂体-副腎系の経路が障害されていることが原因とされます。そのため、双極性障害患者さんの降圧療法はRA系を抑制する薬剤(ARBやACE阻害薬と呼ばれるもの)が推奨されています。
 高血圧は治療すれば改善する病気ですが、双極性障害の患者さんは高血圧の治療をしっかりと受けていない人も多く、血圧管理に難渋することもあります。下記に該当する場合は心血管疾患のリスクが高まりますので、循環器専門医の診療のもとしっかりと高血圧の治療を受けましょう。

1.高カリウム血症、腎不全、心不全、冠動脈疾患などの悪化した併存疾患
2.クレアチニン > 1.8 mg/dL
3.血圧が180/120mmHg以上
4.目標血圧を達成するために3種類以上の降圧剤が必要な場合
5.高血圧の二次的原因
6.降圧剤による二次的な副作用

参考文献:Hypertension Risk and Clinical Care in Patients With Bipolar Disorder or Schizophrenia; A Systematic Review and Meta-Analysis. J Affect Disord. 2018.