ななみこの統合失調感情障害ブログ

統合失調症と双極性障害の啓蒙活動をします

双極性障害は10歳短命

 こんばんは、ななみこです。今回は双極性障害の患者さんの寿命について考えてみたいと思います。

 双極性障害の患者さんの平均寿命は、一般の平均寿命と比較して8~10歳短いと言われています。日本人の平均寿命は男性で81歳、女性で87歳ですので、双極性障害患者さんの平均寿命は70歳代前半となります。双極性障害の患者さんの平均寿命が短い原因は、自殺と生活習慣病のリスクが高いためとされます。
 自殺のリスクとしては、双極性障害の患者さんの自殺率は一般人と比較して20~30倍高いと言われています。自殺と関連する因子として、男性、独居、35歳未満・75歳以上、失業、自殺企図の経験、などが挙げられています。自殺は、その多くが「追い込まれた末の死」であるため、自殺の背景には精神保健上の問題だけでなく、失業や孤独など生活環境など社会的要因も関与していると推測されます。
 生活習慣病のリスクとしては、メタボリック症候群が指摘されており、双極性障害の患者さんの肥満率は一般人と比較して60%高いと言われています。肥満と関連する因子として、飲酒、喫煙、栄養の偏り、生活リズムの乱れ、運動不足などが挙げられています。肥満は糖尿病や高血圧などの生活習慣病に繋がり、心血管疾患などによる突然死も報告されています。また、最近、双極性障害と脂質代謝遺伝子(FADS遺伝子)異常との関連が指摘されており、双極性障害は遺伝子的に肥満になりやすい可能性が指摘されています。
 大切な人を失わないためにも、双極性障害の患者さんでは、自殺と生活習慣病の予防がとても重要になります。

10月の花:ガーベラ