ななみこの統合失調感情障害ブログ

統合失調症と双極性障害の啓蒙活動をします

双極性障害

 おはようございます。朝が寒くてベッドからなかなか出られない季節になりましたね。今日は双極性障害について、うつ病との違いを中心に簡単にご紹介したいと思います。

 双極性障害とは、気分が高揚する「躁状態」と気分が落ち込む「うつ状態」が繰り返される精神疾患です。以前は「躁うつ病」と呼ばれていたため、うつ病の一種と誤解されることもありました。しかし、双極性障害うつ病は原因が異なりますので、現在では「躁うつ病」ではなく「双極性障害」と呼ばれています。

 双極性障害の患者さんは、いつも躁状態うつ状態の症状が現れるわけではありません。躁状態でもうつ状態でもない、いわゆる普通の状態があることが特徴です(図)。躁状態になると、眠らなくても活発に活動する、次々にアイデアが浮かぶ、自分が偉大な人間だと感じられる、大きな買い物やギャンブルなどで散財するといったことがみられます。一方で、うつ状態になると、気分が落ち込み、憂うつで周囲に興味や関心がなくなり、無気力となるなどがみられます。躁状態うつ状態が混じって出現することもあります(図:混合状態)。

 双極性障害の患者さんは、躁状態では気分が良くて自分が病気だと認識できませんので、病院で診察を受けようと思うのは、気分が落ち込んで苦しくなったうつ状態のときがほとんどです。そのため、双極性障害うつ病と間違えられて診断されることがあります。ある調査では、双極性障害患者さんの65%は初診時にうつ病と診断され、うつ病の患者さんの約20%は双極性障害であったとされており、双極性障害と正しく診断されるまでに平均7.5年もかかっていたことが報告されています。

 双極性障害うつ病は治療が異なりますので、両者を鑑別するのはとても重要です。しかし、残念ながら、双極性障害うつ状態うつ病を見分ける有効な診断方法はありません。もしも、双極性障害うつ状態うつ病と診断して抗うつ剤を投与してしまったらどうなるでしょう?その場合、十分な治療効果を得られず、逆に躁状態に転じることで双極性障害を悪化させてしまうことがあります(図:急激に躁状態が出現する躁転や1年のうちに4回以上も躁状態うつ状態を繰り返すラピットサイクリングを誘発します)。そのため、双極性障害の正しい診断のためには、本人だけでなく、周囲の人も、日頃の様子や気分の波を見守り、躁状態に気づくことが大切です