人混みに紛れながら、ショッピングモールの煌びやかな光に包まれる。連休中ということもあり、家族連れや友人同士で賑わっている。楽しそうに買い物をしたり、食事をしたりする人々の姿を見ていると、私の心は少し寂しさに包まれる。
子供の頃、両親によく連れて来てもらったショッピングモール。あの頃は、新しいおもちゃを買ってもらえるのが楽しみで、ワクワクしながらお店を巡っていた。家族みんなで同じものを食べたり、ゲームセンターで遊んだりした思い出は、今でも鮮明に残っている。
しかし、大人になった今では、あの頃の無邪気な楽しさはどこか遠くなってしまったように感じる。一人でショッピングモールに立っていると、幸せな家族を築いている人々への羨ましさや、自分にもそんな未来が来るのだろうかという不安が心の奥底から湧き上がってくる。
ショーウィンドウに飾られた美しい洋服を眺めながら、ふと鏡に映る自分の姿を見る。大人になった私。でも、どこか子供の頃の自分に重ねてしまう。あの頃のように、誰かと一緒に楽しみたい、誰かの役に立ちたい、そんな気持ちを抱えている。
いつか、私も温かい家庭を築き、子供たちと手を繋いで、このショッピングモールに来る日が来るのだろうか。そんなことを考えながら、未来への希望と同時に、少しの不安も感じている。
でも、今はまだ、一人で過ごす時間も大切にしたい。好きな本を読んだり、新しいことを学んだり、自分自身と向き合う時間を持つことも、きっと豊かな人生を送る上で大切なことなのだろう。
ショッピングモールを出ると、夕焼け空が広がっていた。少し心が軽くなったように感じる。
一人でも、こんな風に楽しめることがあるんだ。そう自分に言い聞かせながら、家路についた。