悪性症候群とは?
悪性症候群は、主に精神神経用薬(抗精神病薬など)の使用によって引き起こされる、重篤な副作用です。高熱、筋肉の硬直、意識障害などが主な症状で、放置すると生命に関わることもあります。
悪性症候群の原因
- 精神神経用薬: ブチロフェノン系、フェノチアジン系などの定型抗精神病薬が代表的ですが、抗うつ薬や炭酸リチウムなど、様々な薬剤が原因となることがあります。
- 薬剤の急激な増量や頻回の注射: 薬剤の投与方法や量の変化が、発症のリスクを高めることがあります。
- 中枢神経系のドパミン受容体の変化: 薬剤が中枢神経系のドパミン受容体に作用することで、悪性症候群が発症すると考えられています。
悪性症候群の症状
- 高熱: 40℃以上の高熱が特徴です。
- 筋肉の硬直: 全身または部分的な筋肉が硬くなり、動かしにくくなります。
- 意識障害: 意識が混濁したり、昏睡状態になることもあります。
- 自律神経症状: 頻脈、発汗、血圧変動などがみられます。
- 横紋筋融解: 筋肉が壊れてしまい、腎機能障害を引き起こすことがあります。
悪性症候群の診断
悪性症候群の診断は、症状、薬剤の使用歴、血液検査などを総合的に判断して行われます。
- 血液検査: CK(クレアチンキナーゼ)の上昇、白血球増多などがみられることがあります。
悪性症候群の治療
- 薬剤の中止: 原因となる薬剤の中止が最も重要です。
- 対症療法: 高熱の低下、筋肉の弛緩、水分補給などの対症療法を行います。
- 集中治療: 症状が重篤な場合は、集中治療室での治療が必要となることがあります。
悪性症候群の予防
- 薬剤の使用量や投与方法の注意: 医師の指示を厳守し、自己判断で薬を中断したり、増量したりしないことが大切です。
- 定期的な健康チェック: 定期的に医師に診てもらい、早期に異常を発見することが重要です。