統合失調感情障害は、統合失調症の精神病症状と、気分症状(躁うつ病エピソード)の両方がみられる慢性的な精神疾患です。
1. 精神病症状
- 妄想: ありえない考えや確信に基づいた誤った信念のことです。 例えば、監視されている、操られている、影響を与えられていると感じているなど。
- 幻覚: 五感を通して実際には存在しないものを知覚することです。 例えば、幻聴(声が聞こえる)、幻視(ものが見える)、幻触(触られる)、幻味(味がする)、幻嗅(匂いがする)など。
- 思考過程の障害: 思考がまとまらず、論理的に話したり考えたりすることが難しい状態です。 会話の内容が突然変わったり、話が飛んだりすることがあります。
- 陰性症状: 感情や行動の鈍化・減退のことです。 表情が乏しい、声のトーンが低い、意欲低下、無感動、無関心、自閉、言語貧困、無表情、無意志などがあげられます。
- 緊張病性: 奇妙で不適切な言動のことです。 奇妙な格好をする、興奮する、無意味なことを繰り返す、自己中心的などがあげられます。
2. 気分症状
- 躁うつ病エピソード: 躁病エピソードと抑うつエピソードのいずれか、または両方がみられます。
- 躁病エピソード: 異常なほどハイテンションな状態が数週間から数ヶ月続くことです。 特徴としては、気分の高揚、易刺激性、睡眠欲の減少、言語の増加、思考の奔逸、注意散漫、無謀な行動などがあります。
- 抑うつエピソード: 異常なほど落ち込んだ状態が数週間から数ヶ月続くことです。 特徴としては、気分の落ち込み、意欲の低下、疲労感、睡眠障害、食欲の変化、集中力の低下、自責感、罪悪感、死への考えなどがあります。
3. その他の症状
- 認知機能障害: 記憶力、注意力、判断力、問題解決能力などの認知機能が低下することがあります。
- 社会機能障害: 仕事、学業、人間関係などの社会生活に支障をきたすことがあります。
これらの症状は、すべての人に現れるわけではなく、人によって現れる症状や程度は様々です。 また、症状は時間経過とともに変化することもあります。
統合失調感情障害は、適切な治療によって症状をコントロールし、社会生活を送ることが可能です。 治療法としては、薬物療法と心理療法が主に用いられます。